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高齢者は左側からきた車にはねられることが多い?信号機の設計を見直すべきではないだろうか

高齢者は左側からきた車にはねられることが多い?信号機の設計を見直すべきではないだろうか

高齢者の交通事故には傾向がある?

近年、高齢者の事故といえば、高齢者が加害者になるという話が強調されがちです。しかし当然ですが、高齢者が被害者になるという事故も多発してきています。そうした事故の中でも、特に、道路を横断しているときの事故が増えているようです。以下、福井新聞の記事(2017年6月4日)より、一部引用します。

福井県が高齢者交通死亡事故多発警報を発令した5月26日以降も、夜間に道路を歩いて横断中の高齢者が車にはねられる事故が県内で相次いでいる。道路中央付近から渡り終えるまでにはねられるケースが多く、左から来る車への注意が不十分な可能性があるという。(中略)

県警によると、19~30日の4件の死亡事故と1件の重体事故の計5件のうち4件が道路を歩いて横断中、左から来た車にはねられた。2012~16年の5年間でも、夜間に道路を横断中にはねられ死亡した42人のうち7割の30人が、左から来た車にはねられている。

道路を横断する歩行者にとって、右からの車は渡り始めに来るが、左からの車は横断途中に来る。県警交通部の岩瀬繁雄管理官は、渡り始めに右からの車を特に注意して確認している間に、左から車が近づいている場合もあると指摘。「道路を渡り始めてからも再度左右の確認を徹底してほしい」と注意喚起する。(後略)

横断歩道のの信号の設定は高齢者に優しくない

日本の横断歩道の信号は、1秒間に1mの速度、つまり秒速1m(時速3.6km)で歩く人が渡りきれるように設定されています。しかし、体の衰えが進んでしまっている高齢者の場合、これだけの歩行速度が出せないことも多いのです。

こうした衰えのため、高齢者が、信号が青のうちに渡りきれないことは、よくあります。結果として、左側から車にはねられる可能性が高くなってしまいます。車の運転者からすれば、青信号だからと横断歩道を横切ったとしても、そこに高齢者がいる可能性に注意する必要があるということです。

これが夜間ともなると、横断歩道を渡りきれていない高齢者の姿が見えにくく、不幸な事故につながってしまう可能性が高まります。これに加えて、高齢者のほうも、目が衰えていれば、夜間であれば特に、自分に近づいてくる車に気づかないということがありえるでしょう。

横断歩道の設計を見直すべきではないか?

これから、さらに高齢化が増えていく社会を想定した場合、信号機もまた、変わっていく必要があるのではないかと思います。センサー技術も発達しているのですから、横断歩道上にまだ人が残っていれば、車に対して赤信号を表示し続けるような技術も導入できるはずです。

もちろん、車に搭載されているセンサーもまた、こうした事故を減らす方向に働いていくでしょう。しかし、車を新しくできるだけの経済力を持っている人ばかりではありません。こうしたセンサーを搭載していない古い車も、まだ多数走っているのが現実です。

車の運転者にも高齢者が増えていくことと合わせて考えれば、やはり、横断歩道における信号にも、新技術の導入が必要だと思われます。そのための予算をとるのは難しいかもしれません。しかしどのみち、経年劣化によって信号機は定期的に新調されるわけですから、どこかのタイミングで、こうした新しい信号機への変更を考えてもらいたいものです。

※参考文献
・福井新聞, 『死亡の7割、左から車にはねられる 高齢者交通事故、横断時に注意を』, 2017年6月4日

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