閉じる

あなたの暮らす自治体は大丈夫?「存在確率」という言葉で考える

存在確率という言葉に注目していこう(消滅するサービス)

存在確率とは?

インターネット上のサービスではなく、サービスの提供に実際の店舗や施設が必要になるサービス業にとっては、地域の人口の増減は大きな関心ごとです。地域(自治体)の人口が増えていれば、サービスを利用してくれる人(利用者)も増えます。しかし、人口が減っていれば、サービスの利用者も減り、売り上げが減ってしまいます。

さらに、こうした人口の増減が影響するのは、サービスの利用者だけではありません。人口が減っていく地域では、サービスを提供する側として働く労働者もまた減っていくのです。当たり前の話ではありますが、地域の人口は、サービス業を提供する側と利用する側のどちらにとっても、死活問題なのです。

ここで、国土交通省は、特定のサービス業が生存できるかどうかの目安を、自治体の人口規模によって設定しています。特に「存在確率50%」という、その人口規模を下回ると特定のサービス業の撤退がはじまるラインと、「存在確率80%」という、その人口を超えていれば特定のサービス業は継続できるラインが設定されています。

存在確率でみる撤退・存続ライン

以下、参考のため、介護以外のサービス業も含めて、いくつかのサービス業に対して、どのようなラインが引かれているか、表にしてみます(国土交通省, 2014年)。

サービス業種
存在確率50%
(撤退ライン)
存在確率80%
(存続ライン)
カラオケボックス
17,500人
42,500人
ショッピングセンター
87,500人
92,500人
銀行
6,500人
9,500人
学習塾
5,500人
7,500人
大学
175,000人
325,000人
病院
7,500人
27,500人
救命救急センター
225,000人
50万人以上
通所・短期入所介護事業
6,500人
9,500人
介護老人保健施設
9,500人
27,500人
訪問介護事業
22,500人
27,500人
有料老人ホーム
52,500人
125,000人

このような表を頭に入れておくと、地方などに足を運んで、看板を観察していくことで、だいたいの人口規模が予想できます。また、そうした地方の人口を聞けば、どの看板が、近い将来なくなるかも予想できます。

そして残酷な話ですが、今後、日本の人口減少は、加速度的に進んでいくのです。たとえば、2016年には、日本から約33万人の人口が消滅しました。この影響で、どれだけのサービス業が廃業や撤退に追い込まれたのか、想像したくもありません。

介護が必要な場合に注意したいこと

介護が必要な場合、どうしても、要介護者が暮らす自治体の人口は、チェックしておきたいです。十分な人口がないと、介護保険料を納めてきたとしても、必要な介護サービスが受けられない可能性が高いからです。

今後は、介護に限らず、必要なサービスが受けられない自治体から、受けられる自治体への引っ越しが増えていくでしょう。これはすなわち、厳しい状態にある自治体の消滅が加速していくということでもあります。人口が少ないところからの人口流出は加速し、自治体の勝ち負けが(より)はっきりしてくるでしょう。

日本の高齢化と要介護者の増加は、こうした、自治体の消滅を牽引してしまう一大事件なのです。そしてそれが本格的に顕在化するのは、2025年以降のことになります。2025年以降と比べれば、まだ、今の日本は天国です。

※参考文献
・国土交通省, 『国土のグランドデザイン2050参考資料』, 2014年7月4日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

PR