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郵便投票の対象拡大か?要介護3以上へ(ニュースを考える)

郵便投票の対象拡大か?要介護3以上へ(ニュースを考える)

郵便投票という制度、ご存知でしたか?

公職選挙法における不在者投票の規定には「郵便等による不在者投票(郵便投票)」に関するものがあります。身体障害者手帳、戦傷病者手帳を持っている人、および、要介護5の人が、この郵便投票が認められる人に該当します。

ここで、要介護者の中でも要介護5の人に限定されてきた郵便投票が、要介護3以上に拡大される可能性が高まってきました。以下、NHK NEWS WEB の記事(2017年6月13日)より、一部引用します。

総務省の有識者研究会は、出歩くのが困難な高齢者らが選挙で投票しやすくなるように、現在、介護無しでは生活できない「要介護5」の人などに限って認めている「郵便投票」の対象を、「要介護3」の人まで拡大すべきだとする報告書をまとめました。(中略)

総務省の有識者検討会は、去年12月から、高齢者らが選挙で投票しやすくなるように郵便投票の対象を拡大する検討を始め、4回の会合を経て報告書をまとめました。

それによりますと、ほとんどが寝たきりの状態の「要介護4」の人に加え、状態に幅があるとされる「要介護3」の人も実際には投票所に行くことが困難なケースが多いとして、郵便投票の対象に加えるべきだとしています。これによって郵便投票の対象者は160万人近く増えるということです。(後略)

そもそも特養の入居条件です

公的な老人ホームである特別養護老人ホーム(特養)には、そもそも、要介護3以上でないと入居できません。それは、公的な意味で、老人ホーム入居の必要性が認められる(一人での生活はもちろん、外出などが困難)なのが、要介護3以上だからです。

その意味では、郵便投票が、これまで、要介護3以上でなかったのは、むしろ不思議なくらいです。なので、このニュースにあるように、要介護5に限定されてきた郵便投票の範囲が拡大されるのは、歓迎されるべきことでしょう。

投票権(選挙権)は、国民主権における重要な権利行使のひとつです。その権利が事実上制限されてきた人がいるということは、大きな問題なのです。この問題について、やっと改善されるべきことのひとつが改善されたわけです。

シルバー民主主義を進めてしまうという負の面も・・・

ただ、高齢者の投票率が上がるような施策を打つことは、結果として、シルバー民主主義を進めてしまうという負の面もあります。シルバー民主主義とは、投票権を持つ人々にしめる高齢者の割合が高まることで、高齢者の意見が通りやすい社会を示す言葉です。

今回、提案されている郵便投票の施策が通ると、あらたに、160万人の高齢者の投票が(可能性として)見込まれます。その分だけ、シルバー民主主義が強まってしまうということなのです。だからといって、高齢者から投票権を奪ってしまうのは間違いですが、なかなかに難しい問題です。

これはこれで、当然の権利が、正しく行使できるようになるということですから、やはり、良いことです。ただ、これを日本の未来への影響として考えた場合、介護職の待遇問題など、他にも守られるべき当然の権利があるということについて、考えずにはいられません。

※参考文献
・NHK NEWS WEB, 『郵便投票の対象者「要介護3」まで拡大を』, 2017年6月13日

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