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アルツハイマー病(AD)の診断技術が大きく進歩している!(ニュースを考える)

アルツハイマー病(AD)の診断技術が大きく進歩している!(ニュースを考える)

アルツハイマー病とは?その原因と診断

認知症という言葉は、そもそも症状に関するものであり、病名ではありません。背景には、多様な病気があります。そうした病気の中で、もっとも多いのがアルツハイマー病です。認知症を発症するうちの過半数の原因が、このアルツハイマー病であると考えられています。

アルツハイマー病は、1906年に、ドイツの精神科医アロイス・アルツハイマー(Alois Alzheimer)によって第一例が報告されました。それから100年以上の時間がたちましたが、未だに、根本的な治療法はありません。その間に、世界は高齢化時代に突入しています。そして、アルツハイマー病は、社会問題に直結するまでになってきているのです。

その重要性が世界的に認識されたため、近年、アルツハイマー病の研究は大きな進歩をとげています。医学的には、アルツハイマー病の発症のメカニズムは、ほぼ理解されたと言えるようです(道川, 2014年)。そして、診断技術も大幅に進歩しています。以下、産経新聞の記事(2017年5月16日)より、一部引用します。

認知症の中で最も多いアルツハイマー病(AD)の診断が、技術革新によって格段に向上している。4月に京都で開かれた「第32回国際アルツハイマー病協会国際会議」では、症状として表れない段階でも脳内の画像によって診断できることが報告された。発症までに25年以上かかるともいわれるAD。早期発見で進行を防ぐなど、効果的な治療計画の策定に生かされそうだ。(中略)

同教授は「ADの症状が明確に出ていなくても、バイオマーカーの変化や海馬の萎縮の測定などにより早期にリスクが診断できる」と解説。「健常の状態からMCIを経て発症に至るまで連続して追跡でき、ADの進行を遅らせたり、リスクを回避したりする手立てが立案できるようになる」と今後の展望を示した。(後略)

健康診断の標準項目に入れてもらいたい

アルツハイマー病の診断によって、その早期発見ができたら、根本治療は(まだ)難しくても、進行を遅らせることはできるかもしれません。それが可能になれば、増え続ける認知症の総数を、少しずつではあっても、減らせる可能性もあります。

国には、こうしたアルツハイマー病の診断を、なんとか、健康診断の標準項目に入れられるように検討してもらいたいです。早期発見によって、将来、認知症のケアにかかる介護保険や税金の金額が抑えられるなら、費用対効果のある投資になるはずです。

また、健康診断を受けられる人は、今のところ限られています。主婦だったり、健康診断を実施していない会社に勤務している人のためにも、誰でも受けられる健康診断を広めつつ、そこに、こうしたアルツハイマー病の診断なども入れてもらえたらと思います。それが、介護予防につながるはずだからです。

※参考文献
・道川 誠, 『脂質とアルツハイマー病』, 日老医誌51, 109―116, 2014年
・産経新聞, 『アルツハイマー病診断が向上 症状なくても早期に発見』, 2017年5月16日

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