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総合事業への住民主体型サービス提供が低調

総合事業への住民主体型サービス提供が低調

総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)とは?

総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)とは、介護保険から市区町村に移行された介護サービスです。この移行は、今年の4月までには完了されています。総合事業に該当する介護サービスは、従来の介護サービスに加えて、様々なものを市区町村が独自に開発できるようになっています。

この中で、一番期待されていたのは、多様な介護ニーズを、ボランティアやNPOなどの民間団体が埋めてくれる(住民主体型のサービスが増える)ということです。よく言われるように、地域住民がお互いに支え合うことで、介護のための財源の枯渇も補おうとしてきたわけです。

しかし、その現実は非常に難しそうです。調査の結果、総合事業に参入している事業者のうち、こうした住民主体型のものは、全体の4〜13%程度にすぎないということがわかったからです。以下、日本経済新聞の記事(2017年5月18日)より、一部引用します。

全国一律の介護保険から切り離され、今年4月までに市町村の事業に移行した軽度者向け介護サービスで、ボランティアやNPOによる住民主体型サービスの参入が低調であることが18日、厚生労働省の調査で分かった。新たにできたサービス類型のうち、訪問介護(ホームヘルプ)では住民主体型は約4%、通所介護(デイサービス)でも約13%にとどまった。

厚労省は市町村への移行に伴い、従来の介護事業所だけでなく、元気な高齢者を含めた住民ら多様な担い手がサービスを提供するようにして、地域の支え合いを促したい考え。だが、小規模自治体を中心に過疎化などで人材確保が難しく、思うように進んでいないのが実態だ。

介護サービスのうち、要介護度が軽い「要支援1、2」の高齢者に対する訪問介護と通所介護は、2015年4月から今年4月にかけて順次、市町村に移行された。「総合事業」と呼ばれ、従来の介護保険と同等のサービスのほかに、自治体が独自に基準や利用料を定める新方式の「多様なサービス」が設けられた。(後略)

住民主体型の介護は進むのか?

介護のための国の財源が枯渇しつつあるいま、総合事業が狙っていた住民主体型の介護は大きな希望です。しかし、先に取り上げた報道にもあるとおり、住民主体型の介護は、まだまだ全国では浸透していないというのが現状です。

そこで国に考えてもらいたいのが、NPOを作りやすい環境と、ボランティアに参加した場合の金銭的メリットの創出です。NPOを作りやすい環境のためには、介護のためのNPOを設立するための住民教育と、専用窓口の設置などが求められるでしょう。

また、介護のボランティアに参加した場合、直接の報酬を支払うことは難しくても、なんらかの形で金銭的メリットを創出することも可能です。たとえば、税制優遇だったり、各種社会保険(年金や介護保険など)の支払いのディスカウントといったことも考えられるかもしれません。

※参考文献
・日本経済新聞, 『軽度介護、新サービス低調 住民主体型4%どまり』, 2017年5月18日
・毎日新聞, 『軽度介護サービス 参入低調 「訪問」住民主体型は4%』, 2017年5月18日

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