閉じる

運動不足の危険性(死因の16%)を再認識しつつ、運動をしてもらう方法を考える

運動不足の危険性(死因の16%)を再認識したい

運動不足がよくないことは誰もが知っているものの・・・

介護業界にいる人であれば、運動不足はフレイルにつながり、それが要介護状態を生み出すことは常識です。介護業界にいれば、そんな運動不足の怖さは、実際のケースをたくさん経験する中で、十分に理解しています。

しかし、世間一般はというと、フレイルという言葉自体を知らないことのほうが多いものです。残念ながら、人間は、なかなか予防に興味を持てないようにできているようです。運動不足のリスクはかなり高いのに、運動をしない人ほど、運動に興味がない傾向もみられます。

そんな中、日本人の死因の16%が運動不足にあるというニュースが入ってきました。これだけ大きな数字だと、世間一般の運動不足に関する認識も変わるかもしれません。以下、Forbes Japan による記事(2017年5月7日)より、一部引用します。

「ニューイングランド・ジャーナル」の総説は「現代医療は早世のわずか10%しか防いでいない。一方、その40%はライフスタイルを変えることによって防げる」と指摘している。日本人にいたっては死因の16%が運動不足の影響という。世界平均が9%であることを考えると、かなり高い。パソコンの前に座りっぱなしが体によくないとわかっていても、なかなか行動に移せないようだ。

ハーバードの医師らは「医師が自ら手本になることにより、患者のライフスタイルを変えられる」と主張。私は「医師自らアクティブに生きることが、患者さんのライフスタイルを変える」と確信している。

ヘルスケア業界にある人からはじめる

先のニュースの、ハーバードの医師らの意見は、参考になります。高齢者に運動をしてもらいたいと思うなら、自分自身が運動をすることが大事なのかもしれません。背景には、ミラーニューロンという脳科学上の発見があるとにらんでいます。ここについて、もう少しだけ考えてみます。

自分が特定の行動をしているとき、自分の脳内では、その行動を管理する脳の部位が活性化するのは、当たり前でしょう。しかし実は、他者が行動をしているときにも、自分の脳内では、あたかも自分が行動しているかのうように、他者と同じ脳内の部位が活性化するのです。これが鏡(ミラー)のようだということで、ミラーニューロンと名付けられています。

こうして活性化した部位は、強化されます。ついには、見ていただけだったその行動を、自分もできるようになるのです。ミラーニューロンは、要するに「朱に交われば赤くなる」という格言が正しいことを示している脳内の神経細胞ということです。ただ、これを活性化させるには、他者の行動を見る(観察できる)必要があるという点に、注意が必要です。

まず、運動不足の怖さを知っているヘルスケア業界の人が運動をすることが大事です。しかも、意識してそれを、運動してもらいたい人に見てもらうことも必要かもしれません。それによって、ミラーニューロンが活性化し、脳内の「運動をする」という部位が強化される可能性があるからです。

運動をしない人に対して「運動をしたほうがいいですよ」と言葉で伝えることが、いかに効果がないかは、多くの人が知っているでしょう。しかし、周囲に運動をする人が増えると、人間は自然と「朱に交われば赤くなる」わけです。これを活用しない手はないと思います。相手が高齢者の場合は、テレビの視聴時間が長いはずなので、つとめて、スポーツを見てもらうようにすると良いかもしれません。

※参考文献
・Forbes Japan, 『日本人の死因16%に影響する「運動不足」という問題』, 2017年5月7日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

PR