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全国老人福祉施設協議会(全老施協)の役員が、不適切な行為を繰り返していた?(ニュースを考える)

全国老人福祉施設協議会(全老施協)の役員が、不適切な行為を繰り返していた?

全国老人福祉施設協議会(全老施協)の役員が・・・

全国老人福祉施設協議会(全老施協)は、全国の介護事業者から集められた会費を基礎として運営されている組織です。介護現場の声を集めつつ、それを日本の政策に反映させていくことを目指しています。研修や啓発セミナー、各種調査や相談受付と支援、出版なども行っています。

そんな全老施協の役員が、高級料亭などでの飲食を繰り返し、それを会議費として処理していたというニュースが入ってきました。現場の介護職たちが、20万円にも満たない手取りであっても、日本の介護のためにと頑張っているいま、なんともやりきれない思いがします。

公益法人認定法への違反の可能性があり、不適切な支出を行った役員からの返金も含めて、今後の動向を追いかける必要があります。元役員たちは、辞任だけで許される話ではありません。以下、毎日新聞の記事(2017年4月20日)より、一部引用します。

公益社団法人「全国老人福祉施設協議会」(全老施協、東京都千代田区)が、役員や関係者の高級飲食店での飲食費を「会議費」として処理するなど不適正な支出を繰り返していたとして、公益法人を監督する内閣府の公益認定等委員会に報告を求められたことが関係者への取材で分かった。不適正な支出は2013年度から16年度途中までで約3300万円に上るとみられる。内部で批判が高まり、ほぼ全ての理事が辞任する事態に発展している。

全老施協は06年に社団法人として設立、09年に公益法人に移行した。特別養護老人ホームやデイサービスセンターなど約1万1500の施設・事業所が加盟し、運営費の8割以上を会費で賄う。特養ホームと医療の連携の調査研究などで厚生労働省から14年度に約2200万円、15年度に約820万円の補助金を受けている。

このニュースを受けて注意したいこと

このニュースを知った世間は「介護事業者って、高級料亭で食事をするくらいに儲かっているんでしょ?」と考えるでしょう。しかし、事実として、日本の介護事業者は、毎年のように倒産件数の記録を更新しているような、本当に厳しい状態です。それでも、日本の介護のためにという思いから、無理をして会費を支払ってきたのです。

ただ、この話は、全老施協の役員の問題であって、全老施協の職員にはなんの罪もないという点については、大いに注意が必要でしょう。内部からの批判によって役員が辞任に追いやられていることや、このニュース自体も(おそらく)内部の関係者からのリークであることを考えても、全老施協は、自浄能力を持っていることがわかります。

とはいえ、今後は、全老施協に会費を支払う介護事業者は激減するでしょう。全老施協自体が存続できるかというと、かなり危ないと思います。介護業界の人で、次に、この組織の役員になりたいという人も少ないはずです。

残念ですが「全国○○協議会」といった介護福祉事業を行っている組織は、のきなみ、このニュースの「とばっちり」を食います。真面目にやっている組織のほうが大多数なのですが、疑いをかけられることは必至です。疑いだけでは済まず、誤解から、会費を支払ってくれる会員も減ると予想されます。

今後は「全国○○協議会」に限らず、高い志を持った組織であればあるほど、役員などの不正が起こらないようにするガバナンス(性悪説による管理)の強化が求められます。これを教訓として、介護業界は、第三者によるチェック体制を整えながら、より正しく情報開示を行っていかなければなりません。

※参考文献
・毎日新聞, 『<全老施協>不適正「飲食」 銀座で「会議」3300万円』, 2017年4月20日

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