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介護職が火災をくいとめた!介護職の社会的役割とは?(ニュースを考える)

九島幸子さん
九島幸子さん(ご本人の許可を得て掲載しています)

介護職が火災をくいとめた!嬉しいニュース

訪問介護中の介護職が、火災をくいとめたというニュースが入ってきました。この方がなんと、以前インタビューをした、宮城県石巻市にある介護事業者「ぱんぷきん株式会社」の従業員だったのです。まずは、以下、石巻かほくメディアの記事(2017年4月15日)より、一部引用します。

石巻地区消防本部は13日、初期消火により被害を最小限に食い止めたとして、石巻市流留の介護職員・九島幸子さん(49)に感謝状を贈呈した。(中略)九島さんは、今月2日正午ごろ、派遣された不動町の住宅で介護業務を行っていたところ、寝室から出火しているのを発見。在宅者や近隣住民に大声で火災発生を周囲に知らせ、おけに水をくんで消火に取り組んだ。

大活躍だった九島さんのコメントとしては「職場での緊急時対応訓練が役立った」とのことです。こうした訓練は、日本全国の介護事業者で行ってもらいたいと思い「ぱんぷきん株式会社」に、その内容についてうかがってみました。

「ぱんぷきん株式会社」の緊急時対応訓練について

「ぱんぷきん株式会社」の渡邊智仁社長によれば、この訓練は(1)地震や津波などの各種災害対応訓練(2)火災対応訓練、の2本で構成されているそうです。「ぱんぷきん株式会社」では、これらの訓練を各拠点につき、非常勤の従業員まで含めて、毎年2回行ってきました。

今回のケースに役立ったのは、この(2)のほうでした。火災対応訓練は、会社の従業員のみならず利用者(要介護者)も交えたものです。避難誘導と通報訓練を、消防署から専門の職員を派遣してもらい行っています。実際に、従業員と利用者は初期消火のための消火器を用いて訓練を行い、それを専門家に評価してもらうという内容です。

介護施設には、年2回の避難訓練が義務付けられています。ですが、この「ぱんぷきん株式会社」のレベルでの訓練を行っている介護事業者は多くはないでしょう。しかし、この「ぱんぷきん株式会社」の緊急時対応訓練の考え方は、どの介護事業者も参考にすべきものだと思います。

介護職の社会的役割について再考してみる

このニュースを受けて、KAIGO LAB 編集部でも、介護職の社会的役割について議論してみました。普段であれば、利用者の自立支援というあたりで議論が止まるのですが、このニュースは、介護職にはより広い社会的役割があるという事実を教えてくれました。

高齢者がいる現場に足を運ぶ介護職は、その地域の防災(安全と安心)に対しても、大きな役割を担っているということです。介護職自身は意識していなくても、そこに介護職がいることで、地域の価値が上がっているわけです。これは、非常に大事なことでしょう。

日本介護福祉士会が定めている、介護福祉士の行動規範の中には、この、地域社会における緊急時対応に寄与するという内容は(いまのところは)入っていません。しかし現実として、介護職はそうした役割も担っています。

日本の社会は、幸福な地域社会を築くための縁の下の力持ちとしての介護職の存在を、今一度きちんと認識すべきだと思います。その上で、果たして介護職の待遇がいまのままでいいのかといった議論を活性化していきたいです。

※参考文献
・石巻かほくメディア, 『迅速な消火活動、九島さんに感謝状 石巻地区消防本部』, 2017年4月15日

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