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スーパーエイジャー(SuperAgers)の研究について

スーパーエイジャー(SuperAgers)の研究について

現役世代よりも優れた能力を発揮する高齢者がいる?

介護現場でもよく聞く話ですが、人間は、年齢だけでは、その能力を判断できないものです。80歳を大幅に超えても、へたな現役世代よりも元気な高齢者は実在します。そこには、老化を遅らせる「なにか」があるとしか考えられません。この「なにか」は、誰もが知りたい謎でしょう。

こうした高齢者のことを、欧米ではスーパーエイジャー(SuperAgers)と呼んでいます。そして、その謎に関する注目の研究を、ノースウエスタン大学のチームが行っています。彼らの研究に動きがあったので、KAIGO LAB でも、以下、取り上げたいと思います。

まず、スーパーエイジャーは「80歳以上であり、かつ、エピソード記憶のパフォーマンスが中年の平均と同程度である人(adults 80 years and older with episodic memory ability at least as good as that of average middle-age adults)」と定義されています。

生まれつきなのか、それとも生活習慣に原因があるのか?

ノースウエスタン大学のチームは、1,000人以上のスーパーエイジャーとおぼしき人をリスト化しました。そこから5%以下の人を、スーパーエイジャーの研究対象として慎重に抽出しています。

まず、そもそもスーパーエイジャーは、同世代の平均よりも、大脳皮質の厚みが非常に大きいことはわかっていました。問題は、それが生まれつきなのか、それとも、老化による脳の萎縮が遅いためかという点でした。

これについて、結論が出ました。スーパーエイジャーは、脳の萎縮の速度が、一般の人に比べて2倍以上も遅かったのです。これは、非常に嬉しいニュースです。生まれつきではないということは、脳の老化を遅らせる「なにか」があることを示唆するからです。

今後の研究の方向性について

もちろん、そもそも、老化を遅らせる原因が遺伝子にあるという結果になるかもしれません。しかし、どちらにせよ、その全てが遺伝というわけではないはずですし、また逆に、その全てが遺伝しないということもないでしょう。

今後の研究は(1)どの脳の部位が老化によって萎縮しやすいのか(2)どの脳の部位がそうした萎縮を予防しやすいのか(3)どのような活動がこうした予防に効果があるのか、という3点について、生物学、心理学、ライフスタイルという3つの側面から研究されていくことになります。

こうした将来の研究結果を待てないという人も多いでしょう。ただ、希望になるのは、現代社会は、ICTの発展のおかげで、あらゆる研究の生産性が高まっていることです。そんなに待たなくても、役に立つ結論が出てくる可能性も高いのです。KAIGO LAB では、こうした研究動向にも注目していきたいと思っています。

※参考文献
・Megan Thielking, 『Super-agers: The unique traits of older adults with memories sharp as a tack』, STAT, April 5, 2017
・Amanda H. Cook, et al., 『Rates of Cortical Atrophy in Adults 80 Years and Older With Superior vs Average Episodic Memory』, The JAMA Network, April 4, 2017

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