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自動運転技術とベーシックインカムはセットで発展させるべきだ

自動運転技術とベーシックインカムはセットで発展させるべきだ

自動車メーカー、テスラ(TESLA)をご存知ですか?

テスラ(TESLA)は、2003年にシリコンバレーで設立された電気自動車メーカーです。電気自動車への思いから、社名は、電気関係で多数の業績を残した電気技師ニコラ・テスラ(Nikola Tesla / 1856〜1943年)にちなんでいます。

テスラは、日本のトヨタ自動車と連携し、2010年6月29日には、米ナスダックに上場を果たしています。自動車メーカーの新規上場としては、フォード・モーター(1956年)以来、半世紀ぶりとのことで話題になりました。成長を続けているテスラは、自動運転の分野でも、世界をリードしはじめています。

これまで、KAIGO LAB でも話題にしてきた通り、自動運転技術は、超高齢社会を迎える日本にとって、非常に重要なものです。自動運転が普及すれば、高齢者による自動車事故がなくなるのはもちろん、高齢者がより外出しやすい社会が実現できるからです。

テスラCEOのイーロン・マスク氏による演説

このテスラ創業者であり、現在のCEOであるイーロン・マスク氏が、ベーシック・インカム(一定額のお金が、無条件で国から個人に給付される仕組み)について言及しています。以下、The Huffington Post の記事(2017年2月14日)より、一部引用します。

電気自動車メーカー「テスラ」と、民間宇宙企業「スペースX」CEOのイーロン・マスク氏は2月13日、ドバイの「ワールド・ガバメント・サミット」で、「今後自動化で仕事が失われていくことを考えると、普遍的なベーシック・インカム(就労や資産の有無にかかわらず、すべての個人に対して生活に最低限必要な所得を無条件に給付する)が近い将来必要になるだろう」と語った。

「これからは、人間がロボットに勝る仕事はますます少なくなる」とマスク氏は語った。「これは、私がそうなってほしいと思う希望ではなく、おそらく現実になることだ」

(中略)マスク氏は、政府支出でまかないきれないだろうというベーシック・インカムへの反対意見への解決策を語った。マスク氏は、自動化で生産性が上がれば経済が豊かになるので政府支出で対応できるという。(後略)

ベーシックインカムの必要性についても、KAIGO LAB では何度も記事にしてきています。近未来の世界において、どうしても必要な制度です。特に、自動運転が実現すると、タクシー、バス、トラックのドライバー(国内だけで約135万人)が職を失います。イーロン・マスク氏は、当事者として、この事実に強い危機感を持っているのでしょう。

コンピューターは人間の仕事を奪うのか?

新井紀子氏(国立情報学研究所教授・社会共有知研究センター長)による著作『コンピューターが仕事を奪う』でも示されたとおり、真に創造的な仕事以外は、コンピューターがこなすようになっていきます。

もはや、コンピューターは人間の仕事を奪うのか?という疑問ではなくて、それを未来の事実として、国家の設計を行っていかなくてはなりません。にもかかわらず、現在の日本は、これまでのやり方を変えようとしているようには見えないのです。

ベーシックインカムは、仕事を失っても、毎月、一定額のお金が国から振り込まれる仕組みです(毎月かどうかは議論の余地がありますが)。こうした仕組みがあった上で、自動運転をはじめとした人工知能の開発を進めていかないと、生活保護の受給者が増えるばかりで、国の財政破綻も早まるだけです。

ベーシックインカムの財源はどうなるのか

ベーシックインカムをめぐる議論では、必ず、財源がないという意見が出てきます。しかし、ベーシックインカムを導入しない場合でも、生活保護の受給者が増えるだけで、結局、財源の問題はクローズアップされます。

実は、こうした生活保護の認定や支給には、莫大な管理運用コストがかかっています。しかしベーシックインカムなら、いちいち認定したりする必要がありませんから、こうしたコストも抑えられます。また、子供にも支給されるため、子育ての手当てなども、これに含ませてしまえばよいのです。

未来の日本においては、そもそも、ベーシックインカムが成立していないと、社会が維持できない状態になるはずです。これは、財源が持つか、持たないかという話ではなくて、持たせないと、国民の生活が成り立たないということでもあります。財源がないのではなく、財源をどうするかという議論をはじめないとならないのです。

※参考文献
・The Huffington Post, 『「人工知能に人間の職は奪われる」テスラのイーロン・マスク氏、ベーシックインカムが必須と語る』, 2017年02月14日

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