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接客業が、介護を学び始めている?東京パラリンピックをチャンスとして

接客業が、介護を学び始めている?東京パラリンピックをチャンスとして

接客業が、介護を学び始めている?

レストランや小売店といった接客業の人々が、介護を学び始めています。日本全体が高齢化しているわけですから、お客様も高齢化していきます。この流れは、2020年に東京パラリンピックがあることで、加速しそうです。日本経済新聞の記事(2017年2月8日)より、以下、一部引用します。

3年後の東京パラリンピックを控え、障害者や高齢者への適切な介助やコミュニケーション技術に関連する民間資格を取る人が増えている。小売店やサービス業など多様な顧客と接する職種で、企業が従業員に取得を促しているためだ。取得した資格を生かし、障害者イベントなどでボランティア活動に取り組む人も目立ち始めた。(中略)

東京都内で1月下旬、民間資格「サービス介助士」の実技教習が開かれた。受講者は約20人。重りやゴーグルをつけて買い物をしたり、車いすの動かし方を学んだりして、高齢者の体の状況を疑似体験した。事前のテキスト学習を踏まえ、2日かけて実践知識を身につける。介助する相手を傷つけないよう配慮した言葉遣いや心構えも教わった。(中略)

2000年に同資格の認定を始めた公益財団法人「日本ケアフィット共育機構」(東京都千代田区)によると、資格者は約13万7千人で年1万人強のペースで増加中。障害者への差別を禁じた障害者差別解消法が昨年4月に施行されたこともあり、小売店や交通、金融機関など一部社員に取得を義務づける企業が増えているという。

介護に関する知識が武器になっていく時代

接客業の現場では、キャリアアップに、介護関係の資格が有利に働く時代がはじまってきているということです。いずれは、接客業のみならず、商品開発や企画といった職種にも、介護の知識が求められるようになっていくでしょう。

日本は、世界でもっとも高齢化率(全人口に対する高齢者の割合)の高い国です。世界で、もっとも高齢化が進んでいるのですから、今回のニュースのように、多くの人が介護について学ぶ必要性も世界一というわけです。

介護を産業として発展させ、それを輸出可能な状態にしていくことを考えた場合、日本は世界でももっとも有利なポジションにあります。2020年の東京パラリンピックは、日本の介護力を世界に見せつける、マーケティングの一大チャンスです。

そうしたことを考えた場合、現在のように、介護の勉強を、ただ個人のモチベーションに任せているばかりでは、よくありません。介護の勉強を義務教育の中に組み込んだり、大学入試の中に取り込んだり、就職活動の中に取り込んだりといった、より構造的なアプローチも必要です。

心のバリアフリーが急務になってきている

障害者との共生を目指す社会においては、バリアフリー化が必須条件です。ここで、バリアフリー化には、ハード面でのバリアフリー化と、ソフト面でのバリアフリー化があります。実は、日本では、段差をなくしたり、スロープを設置するといったハード面でのバリアフリー化は進んでいます。しかし、ソフト面ではどうでしょう?

日本は、統計的に見ても、他者との関わりが薄い社会です(OECD諸国の中でも一番孤立が進んでしまっている)。ただでさえ、他者との関わりに問題を抱えている社会においては、障害者との関わりもまた、薄いものになってしまうでしょう。

今の日本には、ソフト面でのバリアフリー化、すなわち、心のバリアフリーを進めることが急務なのです。これはなにも、障害者との関係性に限定されるものではありません。相手に障害があろうとなかろうと、他者との関わりをより豊かなものにしていくことが大切なのです。

2020年の東京パラリンピックには、心のバリアフリーを実現するための、またとないチャンスという意味もあるのです。みんなで、パラリンピックを楽しみながら、この流れを加速させていきましょう。

※参考文献
・日本経済新聞, 『接客業も介助の心得 民間資格の取得者増加』, 2017年2月8日

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