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人工知能の登場により、740万人の仕事が奪われる?2030年の労働市場予測

人工知能の登場により、740万人の仕事が奪われる?2030年の労働市場予測

2030年の労働市場試算として

三菱総合研究所が、人工知能やロボットの登場による、2030年の労働市場の変化について発表をしました。以下、産経新聞の記事(2017年1月10日)より、一部引用します。

人工知能(AI)技術が社会に普及すると、日本の国内総生産(GDP)が平成42年に50兆円増える一方で、雇用者数は240万人減るとの試算を三菱総合研究所がまとめた。人間に代わって機械が工場での作業や一般事務をこなすようになるのが原因。

42年時点では人口減少による労働者不足を緩和する効果があるとしているが、AI社会で求められる新たな仕事にうまく対応できなければ、失業者が増える恐れがある。働き方や人材育成の仕組みづくりが課題となりそうだ。(中略)

雇用は、新たに500万人の仕事が創出される一方で740万人の仕事がなくなり、差し引き240万人の減少となる。目立って増えるのは、AIやロボット関連の専門職や技術職で、270万人の増加が見込まれる。一方、工場など生産現場で働く人は150万人減り、販売に携わる人は65万人減少するとした。

まず、人工知能やロボットの専門職を中心とした雇用が500万人増えるというのは素晴らしいです。しかし同時に、これで仕事を奪われる人が740万人にも登るというところは、無視できない、恐ろしい試算です。

介護職が不足している問題は解決する?

介護職は、慢性的に不足しています。その最も大きな原因は、介護職の待遇が悪い(多くの人が手取りで20万円を切る)からです。これまでは、この解決に向けて、本当に少しずつではあっても、介護職の待遇改善は進められてきました。

人工知能やロボットが登場してくると、介護職の不足は解決されていくでしょう。ただ、短期的には、その解決は、介護職の待遇改善にブレーキをかけます。介護事業者による、人工知能やロボットへの投資が必要になり、人件費のための予算が取れないからです。

しかし長期的には、より少ない人数で、より多くの利用者(要介護者)の介護が行えるようになります。すると、介護事業者にも金銭的な余裕が生まれ、人工知能やロボットに対応できる介護職の待遇は改善していくものと思われます。

このシフトを起こすために、国は、介護事業者による人工知能やロボットへの投資を後押しすべきでしょう。同時に、介護職に対して、人工知能やロボットに関する職務教育を実施することを急ぐべきだと思われます。

介護職は、人間にしかできないところに集中しながら、よりよい介護の実現に向けて、人工知能やロボットについて学んでいくことで、自らの付加価値を高めていくことができるでしょう。短期的には辛いままですが、長期的には(学び続けて行ければ)希望があります。

高齢者の定義変更による混乱は増大する

高齢者の定義が、これまでの65歳以上から、75歳以上になりそうです。そうなると、今後は65〜74歳の人々には、引退せずに働くことが求められるようになります。しかし、この人々の雇用があるかというと、そこにはすでに人工知能やロボットがあり、かなり困難になりそうです。

65〜74歳にある全ての人々に、人工知能やロボットの専門職になるための教育を受けてもらうというのも無理があります。わずかに残される仕事を、若年層と取り合うのも、どうしても不利です。

人工知能やロボットは、決められた作業を繰り返すことにかけては、人間よりもずっと上手です。高齢になり、創造的な仕事が難しくなっても適応できる仕事というのは、人工知能やロボットに奪われやすいのです。

現在は、ギリギリの状態で、アルバイトなどをしながら生活をしている高齢の人々ほど、この流れの中で失業しやすいのです。心配というレベルではなくて、すでに危機的な段階に来ています。これを無視して、無邪気に高齢者の定義を75歳以上としてしまうのは、残酷です。

※参考文献
・産経新聞, 『AIが職場を奪う 雇用240万人減、GDP50兆円増 平成42年試算』, 2017年1月10日

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