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【注意喚起】急に呂律(ろれつ)が回らなくなって、すぐに治ったら?一過性脳虚血発作(TIA)かもしれない。

急に呂律(ろれつ)が回らなくなって、すぐに治ったら?

それは一過性脳虚血発作(TIA)かもしれない

一過性脳虚血発作(TIA)とは、一時的に脳に血液が循環しなくなる発作です。血液の塊のことを特に血栓(けっせん)と言いますが、身体のどこかで生まれた血栓が、脳への血流を一時的に止めてしまうことが原因とされます。

典型的なTIAの症状としては、手足や顔面の麻痺(上手に動かせない、感覚がおかしい)と、呂律(ろれつ)がまわらず、言葉がしゃべりにくくなるといったものです。この症状が持続するのは、通常は5〜10分程度が多く、ほとんどは1時間以内とされています(より長く継続することもあるようです)。

TIAを起こした人は、その15〜20%が、90日以内に脳卒中になります(日本脳卒中学会, 2009年)。ですから、ほんの数分でも、麻痺が起こったり、呂律が回らなくなったりしたら、すぐに医師のところに行くべきです。治療を受けると、この脳卒中のリスクは劇的に減らせます。

高齢者で注意したいこと

特に、60歳以上であり、高血圧や糖尿病がある場合(ABCD-2スコアで3点以上)、TIAのリスクは高くなります。そもそも、人間の血圧は、年齢とともに増加し、高齢者(65歳以上)の約60%は、高血圧と診断されます。高齢者は、そもそもTIAのリスクが高いと考えておくべきでしょう。

しかしTIAは、そもそも5〜10分程度で症状がおさまってしまうため、放置されやすいのです。そのまま、脳卒中になってしまうと、健康な高齢者であっても要介護状態になったり、要介護状態が悪化したり、最悪は死に至ります。

一番注意しておきたいのは、高齢者特有の、周囲に迷惑をかけたくないという心理です。TIAが起こっても「このくらいのこと」と、周囲にそれを伝えない可能性が高いのです。症状の強いめまいくらいに考えてしまうと、大変なことになります。

高齢者こそ、TIAについての知識を持っておくべき

すぐに治ったとしても、手足や顔面の麻痺や、呂律が回らなくなるといった症状がみられた場合、TIAを疑う必要があります。この事実を、高齢者自身が知っておくことが、なによりも大事なことです。

そして、TIAの症状があれば、すぐに周囲に報告をして、医師のところに行くということを約束してください。脳卒中になると、その後の自由と自立は、かなりの程度、失われてしまいます。多少大げさに思われても、TIAに注意を払うことは、十分な見返りがあるのです。

プロの介護職の場合は、要介護者はもちろん、その家族にも、TIAに関する基本的な知識を共有しておく必要があります。後になって「あのとき、しっかりと治療を受けておけば」とならないように、TIAは、できるだけ多くの人に、周知しておくべきでしょう。

※参考文献
・東京逓信病院, 『一過性脳虚血発作(TIA)について』
・日本脳卒中学会, 『脳卒中治療ガイドライン2009/TIAの急性期治療と脳梗塞発症防止』, 2009年
・株式会社クリニカルサポート, 『高齢者高血圧の特徴』, 2002年

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