閉じる

高齢者による運転事故の問題が、介護業界の人手不足を解決する?

高齢者による運転事故の問題が、介護業界の人手不足を解決する?

運転免許を持っている高齢者は約1,710万人

高齢者(65歳以上)による運転事故は、最近では、ほぼ毎日のように報道されるようになりました。幼稚園や小学校では、これを警戒し、青信号を信用しない教育が強化されつつあるようです。

警視庁も、こうした背景を受けて、高齢者による自主的な運転免許の返納を即しています。その甲斐あって、2015年には約27万件もの自主返納がありました。しかし、この数字は、高齢者の運転免許保持者のわずか1.6%にすぎません。

いまなお、約1,710万人もの高齢者が運転免許を持っています。毎年1.6%減ったとしても、50年後でさえ、約772万人の高齢者が運転免許を持っていることになります。これでは、今後も、高齢者による運転事故が起こり続けることになってしまいます。

警視庁も、あの手この手で頑張っていますが、それも限界です。いま、この瞬間にも、高速道路の逆走や、信号の見落としによる信号無視が起こっているのです。どうしても、強制的に運転免許を剥奪することも検討しなければならない状態です。

普通自動車の運転免許には、18歳以上という年齢制限があります。心身の発達途上にある子供には、運転はまだ危険だからです。同様に、高齢者の場合も、心身の衰えがあるのですから、ここに年齢制限を設けることは、理窟では通りそうです。

自動運転の実現に向けた法改正と安全対策を急ぐべき

しかし、高齢者の運転免許を強制的に剥奪することには、不都合もあります。自動車には、身体が弱っている高齢者の足としての意味があるのです。病院への通院や買い物、その他の社会活動への参加など、自動車がなければ無理というケースも少なくありません。

外出が少なくなると、高齢者の場合は、さらに心身が弱ってしまい、要介護状態になる危険性が高まってしまいます。そうなると、ただでさえ足りなくなってきている介護のための財源は、さらに厳しいものになっていくでしょう。

自動運転の実現を急ぐべきなのは、こうした状態にある高齢者でも、安全に外出できる手段が必要だからです。自動運転が実現されれば、年齢や障害の有無に関係なく、誰もが、自動車による移動を楽しめるようにもなります。

飲酒運転も事実上なくなるので、飲酒運転による事故がなくなり、同時に、外食産業も潤います。地域に設置されている道の駅の売り上げも高まり、地域活性化にもつながるでしょう。

プロのドライバーのキャリア・チェンジ先としての介護業界

高齢者による運転事故のニュースが増えれば増えるほどに、自動運転への期待は高まります。国も、自動運転に関する法改正や安全対策などを進めている最中であり、それほど遠くない将来、これが実現されるでしょう。

法改正や安全対策と同時に、どうしても考えておかないとならないのが、プロのドライバーのキャリア・チェンジです。自動運転が当たり前のものになれば、タクシー運転手(約38万人)、トラック運転手(約84万人)、バス運転手(約13万人)、合わせて約135万人分の雇用が、一気に失われます。

これだけの数の失業が一気に起これば、失業保険だけでも相当なお金がかかり、国庫が痛みます。この失業が生まれてしまうことは明確にわかっているのですから、今から、失業対策としてのキャリア・チェンジを進めていかないとなりません。

キャリア・チェンジ先を考えるときは、もちろん、本人たちの希望が一番大事です。しかし、慢性的な人手不足に悩んでいる介護業界としては、そうしたキャリア・チェンジ先の一つとして、介護業界を検討してもらいたいところです。これが実現すれば、介護業界における人材不足という一つの課題が解決されます。

※参考文献
・警察庁交通局運転免許課, 『運転免許統計(平成27年版)』

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

PR