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男女平等ランキングにて、日本は111位(144カ国中)という状況にある。

男女平等ランキングにて、日本は111位(144カ国中)という状況にある。

The Global Gender Gap Report 2016

世界経済フォーラム(World Economic Forum)は、毎年、世界のジェンダー・ギャップ(男女格差)を測定し、レポートしています。その2016年版がアップされたので、それをベースとして、いくつか考えてみたいところがあります。レポートの原文はこちら(PDF)から入手できます。

このレポートは、144カ国の国々における女性の地位を、経済、教育、政治、健康の4つの視点から測定し、ランキングとして示すものです。この中で、日本は総合111位でした。他国の結果は、アメリカは45位、ドイツは13位、フランスは17位、イギリスは20位、中国は99位、インドは87位、韓国は116位といった具合です。

総合111位という不名誉な地位となった日本ですが、その内容としては、経済が118位、教育が76位、政治が40位、健康103位でした。政治の世界だけで女性の進出が認められますが、他の分野では厳しい結果となっています。特に、日本における男女の所得格差が、全体の順位を押し下げている点には、注目しないとなりません。

アメリカと日本における男女の賃金格差比較

過去に、The Huffington Postが、アメリカと日本における男女の賃金格差を比較レポート(2014年5月7日)しています。以下に、そのときの結果を示します。ちなみに、総合45位のアメリカの経済は26位でした。ですから、以下のグラフでは、男女の賃金格差を、だいたい世界26位と118位で比較していることになります。

男女の賃金格差(日米比較)

こうした状況を見ると、日本という社会は、多くの女性の犠牲の上に成立していることがわかります。女性の活躍が叫ばれて久しいですが、あまりにもひどい状況です。女性に生まれるだけで、これだけ不利になってしまう社会を作ってしまった責任は、私たち一人ひとりにあります。

ゲタをはいているのは男性である

近年、日本企業では、管理職ポストに女性枠を設けるようになってきています。あまりにも女性の管理職が少ないことへの対策としての意味があります。その中には、まだ、管理職としては経験と知識が足りない女性もいます。こうした状況を指して「女性がゲタをはいている」という発言がなされることがあります。

しかし、日本において、都合のよいゲタをはいているのは、男性のほうです。女性から不当に管理職ポストを奪うような仕組みができあがってしまっており、それが見えなくなっていることが問題なのです。それを日本の文化という人もいますが、誰かの犠牲の上にしか成立しないような文化など、必要ありません。

日本の男性は、管理職ポストをめぐる争いにおいて、人口の半分にあたる女性がライバルにならないのです。それだけ、楽に管理職ポストが得られるということは、結果として、日本の管理職のレベルを下げてしまっているはずです。

介護職の待遇問題も、これと無縁ではない

KAIGO LAB でも、これまで何度も指摘したとおり、介護職の待遇の悪さは、限界に近いところまできています。年収ベースで、全産業平均よりも100万円以上安い状態にあり、ざっくり言って、地方公務員の半分程度の年収しかないのが介護職の現実です。毎月の手取りが20万円を切るようなケースも珍しくありません。

無視できないのは、こうしたひどい待遇で働かされている介護職の多くが女性であるという現実です。介護業界におけるヘルパーの約9割、介護職員の約8割、ケアマネの約7割が女性です。介護職の待遇問題というのは、つまるところ、女性の賃金問題でもあるわけです。

先のレポートを発表した世界経済フォーラムによれば、世界の男女が経済的に平等になるまでは、あと170年もかかるそうです。この足を引っ張っているのが、私たち日本人です。憲法で、国際社会において名誉ある地位を得たいと願っている日本が、この状態でよいはずもありません。

※参考文献
・日本経済新聞, 『男女平等ランキング、日本は過去最低111位』, 2016年10月26日
・World Economic Forum, 『The Global Gender Gap Report 2016』, 2016年10月25日
・The Huffington Post, 『女性の年収、低すぎ? 日本はこの30年、男女の格差が埋まっていない【データ】』, 2014年5月7日

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