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「極貧の状態にある人を国が救うべきか?」という質問に対して「反対」と回答した人の割合は○○%

「極貧の状態にある人を国が救うべきか?」という質問に対して「反対」とした人の割合は○○%

「極貧の状態にある人を国が救うべきか?」という質問に対して・・・

「極貧の状態にある人を国が救うべきか?(State Should Take Care of the Very Poor)」という問いへの、各国の回答の違いが話題になっています。サンデーモーニング(TBS系列)で、この結果が放送されたことがきっかけのようです。

元の情報源は、Pew Research Centerというアメリカのシンクタンクが2007年に発表したレポートです。少し古いレポートではあるものの、結果は、日本人にとってショッキングなものでした。

日本の場合は、38%の人が、これに反対と答えています(ほぼ反対=31%、強く反対=7%)。調査対象となった47カ国のうち、これが最も厳しい数字になります。日本が、不名誉な1位ということです。

アメリカも28%(ほぼ反対=17%、強く反対=11%)で、一見、悪い結果です。しかし、アメリカの場合は、宗教団体やNPOが社会福祉を担うという合意(=チャリタブル・チョイス)がなされているため「国ではなくて、宗教団体やNPOが担うべき」という回答の人も多いと思われます。

さらに他国をみてみると、カナダとフランスは17%とやや厳しめでしたが、韓国とスウェーデンが12%、ロシアが11%、イタリアが9%、イギリスが8%、ドイツが7%といった具合でした。貧富の格差が激しいと伝えられる中国でさえ、極貧の人を国が救うことに反対しているのは、わずか9%です。

こうした国際統計は、調査方法に不備があることも多く、そのまま信頼することはできないかもしれません。しかし世界でも、日本が突出して「お金のない人は助けない」という社会である可能性が指摘されているのです。他国の状況など、より詳細については、情報源となっているレポート(PDF)の95ページをご覧ください。

極端な資本主義に行き着いてしまっている日本

過去にも、杉並区の保育所設置問題を受けて『自己責任が、国を破壊する近未来』という記事を掲載しています。いつのまにか、日本という国は「自己責任」という言葉が強くなりすぎた社会になっています。

日本は、周囲の貧困には目もくれず、とにかく自分のお金だけは確保しようとする人であふれている社会なのかもしれません。先の調査結果だけで全てを判断することはできませんが、もはや日本は、アメリカ以上に資本主義的な国になっている可能性があるのです。

民間企業の場合は、運悪く倒産ということも考えられます。そのときの年齢によっては、誰もが、避け難く貧困状態になる可能性があります。これは、4割近い人が「極貧の状態にある人を国が救うべきではない」と考えている日本では、怖すぎる現実です。これが、学生の就職先人気ランキングで、公務員がトップになる背景なのでしょう。

なにもかも費用対効果で考え、非生産的なことを極端に嫌うような社会において、誰もが、自分だけが逃げ切ろうとしているとしたら・・・和をもって尊しとなす日本の姿は、もはや幻想ということになりそうです。セーフティーネット(安全安心な社会保障の仕組み)の構築も、多くの人が、本音では反対ということであれば、進まないでしょう。

ちなみに、現役時代に1,000万円を超えるような年収があっても、資産がなければ、民間の老人ホームに入居するには足りません。かといって、国や自治体が運営する安価な老人ホームは、完全に満室です。そもそも、年収1,000万円に満たない人には、セーフティーネットが必要になる可能性は低くないのです。

高齢者世帯のほぼ半数が貧困状態になろうとしている

日本では、すでに43.5%もの高齢者世帯の貯蓄額が500万円を切っています。老後の蓄えとしては、完全に足りない金額です。貯蓄がゼロという高齢者世帯も16.8%もいます。こうした人々を国が救わないと、本当に大変なことになります。

同時に、日本は民主主義国家です。本音ベースで、4割近い人が「極貧の状態にある人を国が救うべきではない」としている日本において、お金のない高齢者の救済という決断ができるのでしょうか。また、貧困状態にある人を救おうという政策を掲げる政治家に、票が集まるのでしょうか。

「自分だけは大丈夫」と考えてしまうのは、真実ではありません。これは正常性バイアスといって、人間に備わっている心理的な傾向です。誰もが、タイミングの悪い会社の倒産や離婚、病気や怪我、介護などによって、簡単に貧困状態になります。そのときになって、社会批判をしても遅いのです。

根本のところで、日本はおかしなことになってきています。誰もが安全に、安心して暮らせる社会を実現することは、最終的には自分や自分の子孫に返ってくる話なのです。ただ絶望するのではなく、個々が具体的な活動を起こすべきときにきていると思います。

※参考文献
・Pew Research Center, “WORLD PUBLICS WELCOME GLOBAL TRADE – BUT NOT IMMIGRATION”, OCTOBER 4, 2007

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