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自分に都合の悪い事実を、ひとつ認めてみる(人間の学習について)

自分に都合の悪い事実を、ひとつ認めてみる

都合の悪い事実を繰り返さないこと=成長

人間にとって、成長は、最高のエンターテインメントです。小説、映画、ゲーム・・・私たちが接する物語は、全て、主人公が困難を乗り越えて成長するという共通の台本(=ヒーローズジャーニー/神話の法則)を持っています。それだけ、成長は面白いということです。

成長には、経験の振り返りが必要です。特に、自分にとって都合の悪い事実を振り返り、それを失敗として正面からとらえ、そこから、今後の教訓を引き出すことが大事と言われます(=デービッド・コルブの経験学習モデル)。

しかし、普段の私たちは、自らにとって都合の悪い事実を隠す傾向があります。それをなかったことにして、自らの明るい実績にだけフォーカスをするほうが、心理的には楽だからです。そうして私たちは、自らの成長のチャンスを、自分で潰してしまっているのです。

もちろん、精神的に余裕がないときは、無理に振り返る必要はないかもしれません。それでも、ずっとそうしていると、人生にとって真の宝物になる成長を、みすみす捨ててしまうことにもなりかねません。

成長を決める学習の中身について

成長するためには、なにかを学習する必要があります。簡単に言えば、学習とは、その前後で行動が変わることです。具体的には「こういうことがあれば〜こうする」という、行動を決める自分なりの理論に対して、修正や変更を加えることで、学習を進めることができます。

たとえば、要介護者から厳しい言葉を受けたとき、これまでは、それに強く反発して、喧嘩になってしまっていたとします。ここには「要介護者に厳しいことを言われたら〜即座に反発する」という行動の理論があります。

それを、次からは「要介護者に厳しいことを言われたら〜反発せずに深呼吸をしてその場を離れる」ということに変化させたとします。これが学習です。その結果は、喧嘩が少なくなり、要介護者のイライラもおさまるかもしれません。

学習を進めて得られる結果が、好ましいものでない場合は、また、学習をすればよいのです。それを繰り返して、私たち人間は、新しい行動を獲得していきます。昨日までの自分と決別し、新しい自分になっていくことができるのです。

世界は変えられないが、自分は変えられる

自分にとって都合の悪い事実が、他者によって変えられることもあるかもしれません。しかしそれは、他者の存在に、自分の未来を預けるということです。自らの未来を、自らの力で切り開くこととは真逆の発想です。白馬の王子様を待つことに似ています。

世界のほうを、自分に都合のよいように変えることは、まずできません。であれば、私たちが自らの人生を積極的に生きるということは、自分のありかたを変えていくということになるでしょう。

大切なのは、自分にとって都合の悪い事実からはじめて、その背景となっている「こういうときは〜こうする」という行動の理論を変更することです。そのためには、ときに立ち止まって、過去を振り返る必要があるでしょう。

誰にでも、フタをしてきた、見たくない事実があるはずです。人類がつむいできた物語は、全て、その困難と向き合う困難から逃げると、ハッピーエンドはないということを伝えているのです。

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