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世界幸福度ランキング(2016年版)からわかる日本の弱さ

世界幸福度ランキング(2016年版)

世界幸福度調査とは?

国連のスポンサーを受けて、コロンビア大学が設立している「持続可能な社会の発展を目指すネットワーク(Sustainable Development Solutions Network; SDSN)」という組織があります。この組織は、2012年から、毎年「世界幸福度調査(The World Happiness Index)」という報告書を出しています。

この報告書は、CNNをはじめとした欧米のメディアでは大きく取り上げられています。日本も、国連の予算のうち約11%(2番目に多い)を出している国です。であれば、国連のこうした活動は、できるだけ上手に活用していきたいものです。

さて、この報告書の中に「世界幸福度ランキング(Ranking of Happiness)」というものがあります。ここで、幸福度とされているのは、人々がより安全・健康に生きられるよう、どれだけ優れた社会効率を追求しているかを調べて、数値として表現しているものです。世界の157カ国が調査対象とされています。

その最新版(2016年版)が発表になっています。そこで日本の幸福度は、調査対象となった157カ国中、53位でした。昨年は46位だったので、状況は悪化していることになります。

ランキングの上位を占めるのは北欧の国々で、デンマーク(1位)、スイス(2位)、アイスランド(3位)、ノルウェイ(4位)、フィンランド(5位)といったあたりです。その後、カナダ(6位)、オランダ(7位)、ニュージーランド(8位)、オーストラリア(9位)、スウェーデン(10位)といった国々が続きます。

ちなみに、1位のデンマークの介護については、過去に『デンマークの高齢者介護システムに学べること』という記事にしています。デンマークの介護職は、公務員だったりします。

他に気になる国をピックアップしてみると、アメリカ’(13位)、ドイツ(16位)、シンガポール(22位)、イギリス(23位)、フランス(32位)、タイ(33位)、台湾(35位)、イタリア(50位)といった国々が、日本(53位)よりも上にいます。韓国(58位)、中国(83位)、インド(118位)は、日本以上に苦しい状況にあるようです。

日本は、北欧の小国について、もっと勉強しないとならない

こうしたランキングに意味を見出さないという立場もあります。それはそれとして、これを一つの視点として考える場合、やなり日本は、世界第3位の経済大国(名目GDPベース)の割には、53位という低い幸福度である点については、考えないとなりません。

大きな経済規模と、低い幸福度ランキングが示しているのは「お金は稼ぐけれど、それを人々の幸福を高めるために、効率的に分配できない」という日本の病気だと思います。その中には、やはり「介護を含めた社会福祉の設計と運用が下手」ということがあるのでしょう。

歴史を振り返ってみると、日本は、世界から物事を輸入して、それを徹底的に改善し、自分たちのものにすることに長けています。であるなら、いまこそ輸入しなければならないのは、幸福度ランキングの高い北欧の小国が、どのような社会福祉を設計し運用しているのかということだと思います(もちろん、北欧の全てを肯定しているわけではありません)。

過去になんども記事にしているとおり、日本は、このままでは大変なことになってしまいます。現在の10兆円の介護保険の財源が、2025年には、2倍の20兆円必要になるという試算があります。そもそもこの財源確保自体が、できるかどうか怪しいのです。仮にできたとしても、介護業界は深刻な人手不足にあり、お金はあっても人がいないという状況にもなりかねません。

こうした状況が打破できないと、私たちは、道端で高齢者が息絶えているのが当たり前という社会を生み出してしまいます。すでにそれは道端ではないだけで、どこかの個室というところまでは来てしまっています。もう、本当に時間がないのです。

WORLD HAPPINESS REPORT 2016(PDF)

http://worldhappiness.report/wp-content/uploads/sites/2/2016/03/HR-V1_web.pdf

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