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介護職員の月給改善も、依然として低い水準(ニュースを考える)

介護職員の月給改善

介護職員の月給が(少しだけ)改善されました

厚生労働省が、昨年4月の介護報酬改定において設置した「処遇改善加算」の結果を発表(2016年3月30日)しました。これによれば、「処遇改善加算」を取得した66.5%の介護施設で、月給が1万3,170円増えたようです。これで、介護職員の月給平均は28.7万円(昨年9月時点)まで改善しました。

これ自体は、嬉しいニュースではあります。ただ、依然として介護職員は、全産業の平均よりも月給にして10万円程度安いという状況は見過ごせません。また、この平均月給の計算には賞与が入っているため、これを除くと、月給は23万円程度となります。これでは、依然として、毎月の手取りは20万円を切る状況です。

また、介護施設の中だけで比較しても、介護職員(28.7万円)は、看護師(37.5万円)、生活相談員(32.1万円)、事務職員(31.2万円)などよりも悪い待遇であることは変わりません。こうしたバランスを見ても、少なくとも5万円程度は、すぐにでも追加してもらいたいところです。

また、この「処遇改善加算金」を受け取ったのは、全国の約13万9,000施設のうち、66.5%となっています。受け取っていない、残りの33.5%の施設では、月給の改善はなされていないと考えられます。この点についても、調査が必要でしょう。

厚生労働省は、処遇の改善は「着実に進んでいる」と言うが・・・

各種メディアの報道によれば、この結果を受けて、厚生労働省は、処遇の改善は「着実に進んでいる」という見解でいるようです。しかし、全産業の平均からは、月給にして10万円、年収にすれば100万円以上も安い状態にあって、果たして、1万円ちょっとの改善を「着実に進んでいる」としてよいのか、疑問があります。

もちろん、結果として改善していますから、その努力は認められるべきでしょう。問題は「着実に進んでいる」というからには、どのような目標に対して、どのような計画で達成していくのかという計画(予算)を示してもらえないと、それが正しいのかどうかわからないということです。

ビジネスであれば、こうした目標値と計画を「予算」として整え、実績とのズレを定期的(一般には月次)に見ていくのが常識です。「着実に進んでいる」かどうかを見るのは、こうした「予算」との比較をしなければならないはずです。

「介護職員の待遇を、いつまでに、いくらにするのか」という、この議論の根本的なところについて、社会的な合意を得る必要があると思います。日本の介護崩壊を食い止めるための施策を打つのに、残されている時間は決して多くはありません。

※参考文献
・日本経済新聞, 『介護月給、15年度28.7万円 前年比1.3万円増も依然低く』 , 2016年3月30日
・TV TOKYO, 『介護職員給与↑1万3,170円』, 2016年3月30日

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