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遠くに暮らす親の介護予防、あるいは周囲に気になる高齢者がいる場合

介護に関する質問

最近増えてきている介護に関する質問

介護や認知症という言葉が一般的になり、良い意味だけではないにせよ、国民の、介護への関心は高まってきています。そうした環境変化の影響か、家族会や介護専門職、介護関連のセミナー講師などに対して、次のような質問が増えてきているそうです。

一つは、遠くに住んでいる質問者の親に介護(または介護予防)が必要そうだというものです。親は「まだ大丈夫だ」と言っているものの、介護についての知識がついてきた質問者としては、とても大丈夫とは言えない状況に見えています。しかし、その親の近くに住んでいる親類縁者は、そのようには見ていないというケースです。

もう一つは、質問者の近所に住んでいる高齢者の様子に変化を感じているというものです。介護についての知識がついてきた質問者としては「もしかしたら認知症かもしれない」と思っています。ですが、他人がどこまで踏み込んで良いものか悩んでいるというケースです。

どちらも、場合によって条件が異なるため、これという一般的な答えを出すことは出来ません。しかし、介護に関する社会的な関心が高まる中、こうした「要介護者予備軍」の人たちに対する気づきの目があることは、とても喜ばしいことです。

どうすればよいのだろう?ベテラン介護職に聞いてみました

こうした質問者に共通するのは「要介護者予備軍の存在に気がついてはいるものの、距離や血縁によって、自分が主たる介護者となって、介護の負担を担うことはできない」ということです。

せっかく気づいていながら、何もできないということは、要介護者予備軍の高齢者にとっても、周りの親類縁者にとっても非常に「もったいない」ことです。早い段階できちんとした手が打てたら、将来は介護の必要のない生活が送れたり、介護が必要になっても軽い負担で済むかもしれないからです。

こうした場合、どのような対応が考えられるでしょう。ベテランの介護職にうかがった話を、以下、2つのポイントにまとめてみます。前述したとおり、状況によっても異なりますし、これら以外にも対応の仕方はあると思うので、あくまでも参考としてください。

1. 介護福祉サービスのスタンスについて知る

まず、介護福祉サービスというのは、虐待などの緊急性が高いケースをのぞくと、原則として、高齢者本人の同意や納得のもとに、関わりや介入が始まります。ですから「要介護者予備軍」の可能性があるという情報だけで、相手に介護福祉サービスを押し付けることはできません。

本当に「要介護者予備軍」なのか、客観的に評価した上で、高齢者本人を説得しないと、状況は変わらないということです。ここで、客観的な評価をするのが、全国各地で活動している「民生委員」です(民生委員とは、地域に在住する支援を必要とする人たちの把握や相談、助言、必要な機関への紹介などを行う民間の奉仕員のこと)。

また、この「民生委員」と連携しながら、地域の「要介護者予備軍」の人たちの存在の把握や具体的なアプローチを行っているのが「地域包括支援センター」です。

すでに、こうした「民生委員」や「地域包括支援センター」によって「要介護者予備軍」の人たちの現状は大枠で把握されており、必要なアプローチ(直接訪問したり、相談に乗るなど)はされている可能性もあります。

2. 客観的な評価をする機関に相談する

しかし、遠方の家族やご近所だからこそ把握している深い情報までは「民生委員」でも把握できているかはわかりません。それに、残念ですが「民生委員」の不足問題や「地域包括支援センター」の業務量過多により、こうした情報が届いていないことも多分にあります。

ですから質問者の方がまず行うべきは、こうした「民生委員」や「地域包括支援センター」がその要介護者予備軍の人の存在に気づいているかどうかを確認しに行くこと、つまり相談をすることです。

介護の負担を直接担えなくても、地域で、高齢者を支える方法はあるのです。これからの日本は、ますます要介護者が増えていきます。介護の専門職やサービスにつながっている人以上に、つながっていない「要介護者予備軍」の人たちを国民全体で支えていくことが求められています。

存在に気づいていながら、何をしてよいかわからない、自分がそこまでしてよいか判断できない、気になってはいるけれど責任は負えない・・・。そんな気持ちを負わずとも、出来ることがあることを理解し、臆せずに相談していきましょう。

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