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介護のプロでも、看取りの場面で「連携ミス」を起こすことがある(心がけたい3つのポイント)

看取りの現場で、介護のプロたちはどう動いているのか

気持ちに余裕がない場合は、この記事は読まないでください。「看取り」に関する内容になります。

要介護者のために、介護のプロたちは連携している

介護の大事な特徴として、1人の要介護者に対して、多数の人間が関わっているということが挙げられます。要介護者としても、介護を通して、それまでになかった新たな人間関係を介護のプロたちと築いています。

特に、排泄介助や入浴介助、リハビリや様々な相談を通して、要介護者と介護のプロたちの間に、深い信頼関係ができているケースも少なくありません。そして、要介護者にとって最後の場面(看取り)でも、介護のプロたちは、大きな役割を果たしてくれています。

こうした介護のプロとしては、看護職、介護職、リハビリ職、相談職、栄養職などがいます。それぞれが、要介護者のために、真剣に仕事をしてくれていることは言うまでもありません。

同時に、看取りの場面においては、要介護者の希望を聞きながら、介護者(家族)としてしっかりと介護のプロたちに働きかけないといけないケースもあります。今回は、介護のプロたちが、看取りの現場で起こしがちな「連携ミス」について考えてみます。

看取りの現場では、介護のプロたちの連携が切れやすい

看取りは、介護のプロにとっても精神的に厳しいものであり、普段はできている連携が切れることも少なくありません。動揺もしますし、感情的に高ぶることも普通です。介護のプロとして何度も経験していても、慣れたりしないのが看取りなのです。

普段は冷静な介護のプロであっても、看取りの場面では動きが鈍くなることもあります。優しい心の持ち主ほど、看取りの場面が苦手ということもよくあります。そして介護のプロには優しい心の持ち主が多いですから、そこは仕方のない部分です。

もちろん、介護者(家族)としても、余裕がないことも多いと思います。さらに、介護のプロたちの中には、看取りのベテランもいるので「連携ミス」など起こさないチームもあります。

しかし、要介護者に、できるだけよい最後を迎えてもらうためには、ここでの「連携ミス」が起こらないように注意する必要はあるでしょう。以下、看取りの場面で起こりがちな介護のプロたちとの「連携ミス」について、ある研究結果(小野・原, 2015)を参考に、3つのポイントとしてまとめてみます。

1. リハビリ職にも関わってもらうことを考えよう

看取りの段階になると「もう、これ以上リハビリはいらないから」ということで、リハビリ職(理学療法士、作業療法士など)がチームから外されることがあります。しかし、要介護者に長く付き添い、その能力開発を共にしてきた場合、要介護者がリハビリ職との間に信頼の絆を築いていることも少なくありません。そうした場合は、介護者(家族)として、しっかりとそのリハビリ職の人にも、看取りに参加してもらいたいことを伝える必要があります。特に、リハビリ職は、看取りの場面において、その専門性から安楽な姿勢をつくりだしたり、マッサージを行うことで、苦痛を緩和させることができます。また、リハビリ職は、最後の瞬間まで、要介護者が少しでも自分で動ける力を維持しようとします。これは、要介護者が、最後まで自分のコントロール感を失わないようにするための配慮です。

2. 栄養職にも関わってもらうことを考えよう

看取りの段階になると「もう、食べられないから」ということで、栄養職がチームから外されることがあります。しかし栄養職にとって「食べる」ということは「栄養を摂る」ことだけでなく、「生きる力」や「喜び」を生み出すものでもあります。要介護者の最後の期間に、なつかしい味を提供したり、思い出の料理を見せたりすることも、大事なケアなのです。馴染みのある栄養職であればなおさら、自分の最後を「気にかけてくれる人がいる」というだけで、要介護者は嬉しい気持ちになります。単に、もう食べられないからといった理由で、そうしたチャンスを消さないようにすべきでしょう。

3. 要介護者の希望がよく伝わっていない場合

看取りに関わる介護のプロたちの悩みは、要介護者がどのような最後を迎えたいのか理解しにくいことです。この段階では、要介護者は衰弱しており、直接の意志の確認が難しいことも多いからです。介護者(家族)がそれを伝えてもよいのですが、介護者だからといって、こうしたことを知っているとは限らないのと、心の余裕がないこともあります。こうしたとき、頼りになるのが介護職(介護職員、ヘルパーなど)と相談職(介護相談員、生活相談員、ケアマネージャーなど)です。介護職と相談職は、多角的に要介護者のことを把握していることが多く、昔、語っていたことなども記録しています。看取りに関わる介護のプロたちが、要介護者の希望などを確認できていないような場合は、介護職や相談職につないであげると、すっきりすることがあります。

※参考文献
・小野光美, 原祥子, 『介護老人保健施設の看取りにおいて専門職が提供するケアと多職種連携の実態』, 島根大学医学部紀要 37, 9-25, 2015-03-01

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