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ガンの治療を拒絶する高齢者が増えている?85歳以上の過半数

ガンの治療を拒絶する高齢者が増えている?85歳以上の過半数
気持ちに余裕がない場合は、この記事は読まないでください。「看取り」に関する内容になります。

ガンになったらどうしますか?

ガンは、日本人の2人に1人がかかり、3人に1人がそれで死亡するという病気です。男女とも、60歳代からガンになる確率が高まり、高齢になればなるほど、それが一気に高まっていきます。高齢化社会の到来は、ガン社会の到来でもあるわけです。

そうしてガンになっても、きちんとした治療を受ければ、回復するケースも増えてきています。同時に、高齢者になると、治療のための手術などに耐えられない可能性も高まり、治療そのものを拒否する高齢者も増えてきているようなのです。以下、yomiDr.の記事(2017年11月6日)より、一部引用します(改行位置のみ、KAIGO LAB にて修正)。

高齢になるほど、がんの積極的な治療を差し控える割合が増えることが、国立がん研究センター(東京都)の調査で明らかになった。体力などを考えると、すべての高齢患者に通常の治療法が最適とはいえない状況を反映している。治療選択に参考となる指針が求められている。

同センターが8月に発表したがん治療の実態調査では、転移がある進行胃がん(病期4)で治療を行わない割合は40~64歳では8.5%だったが、75~84歳は24.8%、85歳以上では56%に上った。他の進行がんも年齢が上がるごとに「治療なし」の割合が増えた。(中略)

高齢者のがんについて医師らの教育体制はほとんどない。長島さんは「専門医と医学生向け両方の教育が必要だ」と指摘する。国の新しいがん対策推進基本計画でも、高齢患者に適した治療法や診療指針の研究推進が盛り込まれた。(後略)

現場の医師任せという状況は改善が必要

医師は、ガンを治療するためのトレーニングを受けています。しかし、ガンの治療を拒否する高齢者に対して、どのように接するべきかといったことは、現場の医師の判断に任せられているというのが現状です。

本人が強く拒否をすれば、それは本人の意思ですから、医師としては悔しい思いがあったとしても、それに従えばよいでしょう。しかし、本人が治療を迷うようなときは、どのように対応すればよいのでしょう。おそらくは、そうしたケースのほうが大多数ではないかと思われます。

有名な『高僧とガン』の逸話にもあるとおり、ガンの告知を通して自らの死と向き合うことは、簡単なことではありません。悟っているように振舞っている人でも、動揺し、自分らしくあることに失敗したりもします。

医療は、本来は、死を悪として戦うものでした。しかしこれからは、死にゆく人の幸福を考え、延命と決別していくことが求められています。とはいえ、人間は死について正面から考えることが苦手であり、そうした社会的な要求があったとしても、その議論は少しずつしか進みません。

ただ進行ガンが見つかった場合、現実として85歳以上の過半数が治療を拒否するという事実は、非常に重いものとして存在しています。国としてしっかりとした議論を行い、ガイドラインを整え、医療・介護関係者への教育としてこれを整えていく必要があるのです。

※参考文献
・yomiDr., 『高齢者のがん治療…本人の意思考慮し選択』, 2017年11月6日
・国立がん研究センター, 『最新がん統計』, 2017年9月20日

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