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身寄りのない高齢者でも、死後の納骨を任せることができる?(横須賀市)

身寄りのない高齢者でも、死後の納骨を任せることができる?(横須賀市)

気持ちに余裕がない場合は、この記事は読まないでください。「看取り」に関する内容になります。

身寄りのない高齢者が抱えている問題

日本全国で、身元が不明なわけではなく、身寄りがないことが原因で、遺骨の引き取り手がいないというケースが急増しています。そうした場合、自治体が費用を出して本人を火葬した上で、納骨堂に保管するというのが通例のようです。

しかし、自治体は特定の宗教を持てないため、納骨堂に保管するところまでで、供養のようなことは一切できません。本当は本人が望む供養があったとしても、それを自治体として行うことはできないのです。

こうした背景から、横須賀市がユニークな取り組みを行っています。今のところは低所得者に限定されているサービスですが、今後、広がりを見せる可能性が高いと思われます。以下、朝日新聞の記事(2017年9月14日)より、一部引用します(段落位置のみKAIGO LABにて修正)。

引き取り手のない遺骨が各地で急増している。供養も一切されない遺骨も少なくない。神奈川県横須賀市は、そうした事態を減らしたいと、身寄りのない高齢者の葬儀や納骨をサポートする取り組みを始め、注目を集めている。(中略)

そんな時に、横須賀市が2015年に始めた「エンディングプラン・サポート事業」を知った。この春、市役所を訪れ、「入る墓がなくて困っていた」と相談をした。この事業は、市が間に入り、あらかじめ高齢者が葬儀や納骨先の契約を葬儀社と結び、費用を預ける仕組み。

費用は25万円程度になる。市と葬儀社の連絡先を書いた登録カードを発行し、緊急時には救急隊員や病院などからの問い合わせに市と葬儀社が応じる。対象者は身寄りのない低所得者に限定。月収が18万円程度まで、預貯金が225万円以下といった目安を設けている。(後略)

民生委員など介護関係者は知っておきたい制度

この制度は、あくまでも本人からの希望によって成立するものではあります。しかし実際には、本人がこうした制度を知っていることは稀でしょう。現実には、身寄りのない高齢者の周囲にいる民生委員など介護関係者が知っておくべき制度です。

これは今のところ、横須賀市にしか存在していない制度のようです。ただ、どこの自治体も、身寄りのない高齢者の遺骨問題を抱えており、深刻化してきています。この横須賀市の制度に似たものを導入しようとしているはずなので、自治体に確認してみるべきでしょう。

介護のプロたちは、身寄りのない高齢者にとって最後の人間関係であることが多いものです。そうした介護のプロにとっても、身寄りのない高齢者たちは、ただの利用者ではなく、大切な人になっているケースもあります。

そんな大切な人の納骨がいい加減になされ、医学の発展のための献体などにも応じてもらえず、さらに供養もできないような状況というのは、いつまでも漬物石のようにして心に沈み込みます。そうした漬物石が解消されるのであれば、こうした制度は、とてもありがたいものではないでしょうか。

横須賀市エンディングプラン・サポート事業パンフレット(PDF)

http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2016/225/doc/20160614_shiryou2_4.pdf

※参考文献
・神奈川県横須賀市, 『「エンディングプラン・サポート事業」を開始します。(市長記者会見)』, YOKOSUKA NEWS RELEASE, 2015年6月19日
・朝日新聞, 『身寄りない高齢者「死後の納骨託せます」 市に視察続々』, 2017年9月14日

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