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死亡診断が遠隔で可能になる?最後のときに注意したいこと

死亡診断が遠隔で可能になる?最後のときに注意したいこと

気持ちに余裕がない場合は、この記事は読まないでください。「看取り」に関する内容になります。

死亡診断は、医療の専門性を持たない素人がすべきではない

いつかは、お別れのときがきます。そのとき、どうしても注意しておきたいのは、死亡診断は素人にはできないということです。いかに死んでいるように見えても、蘇生する可能性もあります。死亡診断書の作成には、医師による対面の診察が原則になっています(医師法第20条)。

仮に、医療の専門性を持たない素人による死亡診断が正しかったとします。その場合は、その素人が、死亡の第一発見者になってしまいます。一般人が死亡の第一発見者になった場合、警察は仕事として事件性(殺人など)を疑います。深い悲しみに襲われているときに疑われ、警察の事情聴取を受けるのは、本当に辛いことです。

もし、死亡が疑われるような場面に遭遇したときは、迷わず、担当の医師や看護師に連絡をしましょう。そのときは「死んでいる」とは言わずに、あくまでも「呼吸をしていないように見える」といった、死を断定しない表現をするように心がけてください。医師や看護師に連絡がつかないときは、救急車を呼んでください。

医師による遠隔での死亡診断が可能に(今年度内)

最終的な死亡診断は、医師によって行われるべきです。しかし医師は多忙であり、死亡診断のためだけに外出して家を訪れていたら、身が持ちません。そしてこれからは、多数の高齢者が亡くなっていく時代に突入していきます。そもそも高齢者の人数が多いため、死亡も増えていくのです。

こうした背景をとらえ、厚生労働省は、医師による死亡診断が遠隔で行えるように、規制緩和をすることに決めたようです。リスクもありますが、いたしかたありません。以下、朝日新聞デジタルの記事(2017年6月30日)より、一部引用します。

医師による対面が原則の死亡診断について、厚生労働省は今年度内に規制を緩める。医師がすぐに駆けつけることができない場合に、スマートフォンなどを通じて患者の状況を把握することなどを条件に死亡診断書をだせるようにする。(中略)

自宅療養する患者宅などを看護師が訪問し、心停止や呼吸の停止、瞳孔の開きを間隔をおいて2回確認。外傷の有無なども観察し、スマートフォンやタブレット端末で遺体の写真などとともに医師に送る。医師は「死亡」と確認すれば、看護師に死亡診断書の代筆を指示し、医師はテレビ電話などを通じて遺族に口頭で説明する。

代筆を指示できるのは、患者が死亡する2週間以内に診療していた医師。当直業務中などですぐに対応できないなど、到着までに12時間以上かかる場合を想定する。ほかに生前にICT(情報通信技術)を活用した死亡診断に患者と家族が同意している▽死期が予測されている▽診察した病気以外での死亡の場合は警察に届ける――などを条件とする。

極端な多死社会の到来は目前

高齢化社会とは、多くの死亡もまた発生するという、いわゆる多死社会でもあります。2015年には約130万人だった死亡者数は、2025年には約160万人にまで増えると予想されています。すでに現在でも火葬場が不足してきており、ひどい場合は、火葬まで1週間近く待たされるようにもなってきています。

今回の、厚生労働省による規制緩和もまた、こうした多死社会の到来を前提としたものです。死亡が増えるにも関わらず、国の財源の問題もあって、医師数はそうそう増やせないからです。ただ、医師による死亡診断はこれで対応できるようになったとしても、火葬場の問題は解決しません。

ここで、通夜や葬儀に続く流れとして、火葬は日中に行われることが多いようです。火葬の時間をずらしたりすることで、火葬についても、今後は対応していくことになるのでしょう。とはいえ、愛する人との最後の別れについて、こうしたことを考えないとならないのは、かなり違和感があるのも事実です。なかなか大変な社会になります。

※参考文献
・朝日新聞デジタル, 『医師の死亡診断、遠隔で可能に スマホで看護師から報告』, 2017年6月30日
・NIKKEI STYLE, 『首都圏の「火葬場不足」現実に、「友引」の稼働も増加』, 2016年2月8日

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