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舞台『HELP MAN!』俳優座劇場(2017年11月8日~12日)に行こう!

舞台『HELP MAN!』俳優座劇場(2017年11月8日~12日)に行こう!

漫画『ヘルプマン!』と舞台『ヘルプマン!』

僕たち介護職は、いつも、高齢者の代弁をしている存在だ。他者のことばかり考える職種だからか、介護職は、自分のことを上手に語れなかったりする。そんなことを考えているとき、漫画『ヘルプマン!』と出会った。この漫画は、僕たち介護職の「言いたくても言えないこと」を表現してくれていた。

書店に並ぶ『ヘルプマン!』の帯には「これは、現代のホラーだ」と書かれていた。少し考えて、僕たちが日常的に発している歓喜も悲鳴も、世間一般の人からすればすべて「隔絶された世界」の話なのだと、妙に納得した。そして、この漫画は、介護職ではない、世間一般の人にも、広く読んでもらいたいと願うようになった。

『ヘルプマン!』をもっと多くの人に知ってもらうためにはどうしたらよいのだろう。介護から縁遠い人にとってはホラーなので、ホラー映画、ホラードラマ・・・うーん、映像だとどうしても介護の息遣いまでは伝わらない。エモーショナルな世界観を共有するには、ライブが最適なのではないか?

自分ではなにもできないまま、時間だけがすぎた。そして、2009年に『ヘルプマン!』が舞台化されると聞いた。僕は吉祥寺に駆けつけ、それを体験した。介護の世界観と舞台演出が見事に調和し、僕の中の『ヘルプマン!』が目の前にあった。いつもやっている介護の仕事が、たしかにそこで繰り広げられていた。

そもそも演劇をあまり観たことがなかった僕は、ここから演劇ファンになった。その日その時しか見ることができないという演劇性は、まるで、高齢者とお会いして別れる介護そのものを感じさせたからだ。そうして演劇を観るようになったが、期待していた『ヘルプマン!』を題材としたものは、あの2009年以来、上演されることはなかった。

2017年秋『ヘルプマン!』が(再び)舞台になる!

先日、ついにまた『ヘルプマン!』が舞台になるというお話を、演出家なるせゆうせい氏よりもらった。「何かお手伝いできることありますか?いや、ありませんか!!」「じゃあ、応援してよ!」ということで、僕は今、この記事を書いている。漫画『ヘルプマン!』の原作者である、くさか里樹先生にもお話を聞いてみた。

これまでに、各テレビ局のドラマ化、アニメ化、バラエティー番組化、映画化、と、あらゆる企画のオファーがありました。ただ、そうした企画を本当に形にするのは、とても大変なことです。あくまでも企画する人々の情熱次第であり、私の力の及ぶところではありません。

ですから、今回の舞台もまた、なるせゆうせい氏の情熱によって実現されるものです。素直に、とても嬉しいです。私の子供が、私の知らない人生を歩み始めるような感じです。なるせゆうせい氏が、私の子供をどこにつれていってくれるのか、ただただ楽しみです。

なるほど。せっかく企画したのに、実現できなかったケースも多いのだ。そうした困難を乗り越えた今回の舞台が、どこに向かうのか、原作者でさえ楽しみなのだ。であれば、僕たちファンは、過去に企画をして実現できなかった人々にも感謝しながら、今回の舞台の実現を喜びたい。

介護をめぐる行政職員の苦悩が描かれる

日本の介護のありかたを決める介護保険法は、3年に1度改正される。当然、介護そのものも変わる。介護事業者の経営のありかたも、これに合わせて変化していかなければならない。こうした変化の上流にいるのが、介護保険法を考える行政職員である。

介護保険法を前提とした介護が開始されたのは、今から17年前の2000年である。その当時は、寝たきり状態にある人に対する介護が想定されていた。そうした人が、いかに心地よく日々を暮らせるかということが議論の中心だった。だから、介護職たちのオムツ交換のスキルなどが問題視されていた。

現在の介護は、より広い範囲での介護が想定されている。特に、認知症に苦しむ人を想定した議論が多い。このため、介護職たちに求められるスキルについても、いかに本人の背景や思いを正確にとらえることができるか、といったことが問われるようになってきている。

こうした変化の上流にある行政職員には、大きなプレッシャーがかかるのは言うまでもない。行政職員の仕事ぶりによって、要介護者の幸福度はもちろん、家族や介護事業者の未来にも違いが出てくるのだから。そして、今回の舞台となる「監査編」は、そんな行政職員の苦悩を中心とした物語だ。

くさか里樹先生は、要介護者(利用者)を中心としながら、家族、介護職、そして行政職員など、介護に押しつぶされそうな人々にスポットを当てる天才である。そんな天才によって描かれた「制度と現実のはざまにある行政職員の苦悩」がライブになる。なにかと批判の矢面に立たされる行政職員について知ることは、皆で介護を「あるべき姿」に近づけていくために、とても大切なことだと信じている。

公演情報

★会場:俳優座劇場(東京都港区六本木4-9-2)
★日程:2017年11月8日(水)~12日(日)
★公式ホームページ:http://butai-helpman.website/
★公式Twitterアカウント:@butaihelpman
★自分もなにか応援したいという方:KAIGO LAB お問い合わせ

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