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『ヘルプマン!』が大学の教材に!必ず読んでおきたい介護漫画

『ヘルプマン!』が大学の教材に!必ず読んでおきたい介護漫画

介護業界では必読とされる漫画『ヘルプマン!』について

漫画『ヘルプマン!』は、漫画家くさか里樹による、介護をテーマとしたものです。『イブニング』(講談社)にて、2003年より連載が開始され、のちに『週刊朝日』(朝日新聞出版)に場をうつして、いまも連載が続いています。

2011年には、日本漫画家協会賞大賞(第40回)を受賞しています。介護問題が広く認知されるとともに、この漫画も愛読者を増やし続けてきました。介護業界では、もはや必読の漫画とされています。大げさに言えば、この漫画を読んだことがあるかどうかで、介護業界の人材かどうかを判断できるほどです。

介護に関する物語は、とくに排泄介助や入浴介助という、もっとも負担の大きい部分において、実写化が難しいものです。プライバシーの問題もあって、ドキュメンタリーもまた、なかなか事実を伝えるのが困難という背景があります。では、介護のすべてが文章で伝えきれるかというと、暗黙知(言葉になりにくい知識)も多くあり、限界があります。

『ヘルプマン!』は、こうした、介護をめぐる表現の制約を、漫画という方法で超える、画期的なものなのです。介護業界で働く人はもちろん、介護をする家族や、場合によっては自分自身が介護をされる人であっても、必ず得るところの多い作品だと思います。

『ヘルプマン!』が大学の教材になっている

そんな『ヘルプマン!』が、大学の教育において、教材として活用されているそうです。介護をめぐる誤解が蔓延しているいまこそ、こうした取り組みが、もっと広まることを期待します。以下、東京新聞の記事(2017年3月1日)より、一部引用します。

介護や認知症を扱った漫画が人気だ。作者の実体験を描いたり、介護を取り巻く問題点に深く切り込んだりと作風はさまざまだが、シリアスになりがちなテーマを軽快なタッチで描く。介護漫画を介護福祉士養成の教材に使う大学もある。(中略)

学生が手にするのは、介護現場の問題を描いた「ヘルプマン!」(講談社)の二巻。介護福祉士を目指す一年生の講義で教材に使われている。二巻は在宅介護がテーマ。「鹿雄(しかお)さん」という高齢の認知症男性と、その介護に行き詰まる家族の葛藤が描かれている。(中略)

介護の壮絶さを真正面から描くのもこの作品の特徴。二巻では鹿雄さんが家中に排せつ物をもらしたり、意にそぐわないと人の腕に血が出るほどかみついたりする場面が出てくる。授業で学ぶ大平梨紗子さん(19)は「衝撃は大きいけれど、こういう事態も起こり得るんだと心構えにもなる」と話す。

この記事に出てくる『ヘルプマン!』の第2巻は、介護事業者でも、入門の研修テキストとして用いているところがあります。何巻から読めばよいか迷う場合は、この第2巻を手にとるのがよいでしょう。

介護についての社会的な認識を高めるために

日本が、超高齢社会に突入していることは、誰もが認識していることでしょう。しかし、高齢化するということは、具体的にどういうことなのかを理解するのは、簡単なことではありません。理由は、自分自身が(まだ)高齢ではない人の場合、それを実感することができないからです。

高齢者向けの雑誌高齢者向けの食品といったものが、なかなか成功しない理由もここにあります。要するに、高齢化についての理解ができていないまま、高齢者ではない人材が商品やサービスの企画しても上手くいかないのです。

だからということで、高齢者に直接意見を聞くという方法にも、落とし穴があります。自分が求めていることを正しく言語化するというのは、実は、とても難しいことです。もちろんインタビューも重要ですが、それだけで、相手のニーズが把握できると考えるのは間違いです。

だからこそ、高齢化するとはどういうことなのか、しっかりと観察する必要が出てきます。しかし、多くの人にとって、観察のために使える時間は限られています。であれば、観察眼に優れた人による説明に、耳を傾けることの意味も大きくなるでしょう。あくまでも介護に限定されてはいるものの、その代表的なものが『ヘルプマン!』なのです。

※参考文献
・東京新聞, 『介護の実情 漫画で学ぶ 大学の講義で教材に』, 2017年3月1日

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